実験器具(下ネタ注意)

ある意味“大人のおもちゃ”を作っている浜ウ研代表usuiです.

大学時代,研究室の先輩にMさんという方がいらっしゃいました.博士課程だったMさんは非常に優秀な方で,日々よい実験を行うためにありとあらゆる工夫を行っていました.教授の面々からも一目置かれ,さまざまな逸話,伝説を数多く残しました.

そのMさんが研究していたのはペルチェ素子というものです.ペルチェ素子を簡単に説明すると電流を流すと片側が熱くなって片側が冷めるという摩訶不思議な電子部品です.作り方は,材料の粉を一定割合に混ぜ合わせ圧力を加えて固めるというものです.粉を混ぜるまではよいのですが,Mさん,圧力を加えて固めるところでだいぶ苦労されていました.いろいろな実験結果から,圧力をかける方法として,油圧を使うと材料に均一に圧力がかかり,よい結果が出るということが分かったようです.ですが,材料の粉をそのまま油の中に入れるわけには行かないので防水性のある何かで包む必要性がありました.最初,サランラップで試したら油が進入して失敗.次にゴム風船を使ったら材料の粉を入れるのに難儀であることが発覚.最終的に至った結論がそう“コンドーム”だったのです.

最初,私が机の上に無造作に置かれたコンドームを発見し,
私:“(今晩デートか.けど机の上に無造作に置かれるのもなぁ.....)”
なんて誤解をしました.

M先輩のコンドームの事前処理の方法ですが,ビーカーにアルコールと水を注ぎ電熱器で暖めます.続いておもむろに箱を開け,コンドームを取り出します.そしてコンドームについている油分を取り除くため,巻かれている部分を延ばし,箸でつかんでビーカー内でグルグルかき回します.何も知らない人が見たら,“一体何をやっているんだ?”って言いたくなるような光景です.

実際何も知らない助教授がM先輩のこの光景を見て,
助教授:“えっ,M君,何をやっているの?”
M先輩:“えっと,かくかくしかじか,こういうわけでして.”

研究室の同期に女の子が一人いたのですが,白昼堂々コンドームを取り出すM先輩を見て
同期:“・・・・・.”
しばらく固まっていました.

さすがにM先輩も何度も説明するのに飽きたらしく,最終的には学科内の人間と飲んではそのときのネタにして,学科内の誰でも知っている有名な伝説にしてしまいました.


さて,話を浜ウ研に戻しましょう.
最近,フィンの表面をどうしようかといろいろ悩んでおります.優先順位が低めの課題なのですが,あるときふっと思いついてしまったんです.

流体中にある物体の表面をどうするかっていうのは非常に重要な問題です.たとえばゴルフボール.表面にはディンプルっていう小さなくぼみをたくさん作ってあります.これは,ゴルフボールの周りの空気を積極的に乱流(いずれ解説)にするために作られています.ディンプルがあることによって大きく飛距離が伸びるんです.ディンプルのない真球のゴルフボールだと,あるものに比べて飛距離は半分も飛ばないそうです.

で,表面をどうするかという話は自然界にある近いレイノルズ数(いずれ解説)のものを参考にするとよいとのことです.ウィンドサーフィンのフィンが参考になりそうなものには魚が挙げられます.魚の表面ってつるつる,ぬるぬるしていますよね.きっとこのつるつる,ぬるぬるが表面抵抗を少なくする効果があるんだろうなぁと漠然と思っていました.

そんな折,つい先日テレビをつけたらTBSテレビのオールスター感謝祭の「ぬるぬる大相撲」をやっていました.見た瞬間,
私:“(ん?これか?)”
頭の中に電球が灯りました.同時にいやな予感が.アダルトショップでローションを買ってくるのは別に問題ないです.そんなことに勇気を要するような年齢でもありません.でもさすがに,見るのが『夜の特殊な状況に限られる物』を持って,昼間天気のいい浜辺をうろついた挙句,フィンにおもむろに塗っている自分を見られているところを想像すると滅入るなぁ.実験は非常にやってみたいのですが.....

私もウィンド界に伝説を残すかもしれません(笑).