あなたにも分かるかもしれない材料力学 第013講

さて,第012講の続き.合成したモーメントが求まったので,例によって積分します.


\LARGE \frac{d^2y}{dx^2}=-\frac{M}{EI}


上記式に従って2回積分します.積分定数は端末条件を......ってあまりこの辺の話を詳しく書いてもあまり面白くないですし,見ている人も少ないので割愛で.

で,結果ですが,例によって,テーパー比 \Large \frac{C_t}{C_r} が異なる5種類の板を用意します.\Large C_t :先端の幅,\Large C_r :根元の幅.テーパー比はそれぞれ,0.33,0.5,0.67,0.8,1.0 です.



面積はすべて同じで,つまり \Large C_t\Large C_rの和が一定.この5種類の板に分布荷重をかけた場合,どの板が一番たわみが大きいか?分布荷重の条件は12講参照.



結論を書くと,やはりテーパー比が大きければ大きいほど,すなわち,先の幅が広いほどたわみが大きくなります.先端に集中荷重をかけるよりもたわみが少ないので,違いはさらに微妙になっています.

先が細いものほど変形が少なく,挙動に変化を与える要素が少なくなるので,俗に“抜けがよい”と言われる理由の一つなのだと思います.予想はしていましたが,計算上で裏付ける結果の一つになったのではないでしょうか.