今の Ninja のテクノロジー

開発者っていうのは,先の話にばかり興味が行って,過去の結果に関してあまりアピールしないというか.....
私にも多分にその傾向があったようで,現行出しているスラロームフィン Ninja について,どんな技術を注ぎ込んでいるかということをあまり書いていなかったような気がします.今の Ninja はこういう風に作っているんです,っていう話をとある方にしたところ,“そういう情報を聞きたかったんですよ.”と言って頂き,うれしかったと共に反省した次第です.

ちょっと昔に埋もれてしまっていますが去年の8月ごろの日記.

http://d.hatena.ne.jp/hwl_usui/20090821

翼平面型(フィンを真横から見た形)がほとんど同じこの2本にどういう違いを持たせたかなんですが,片側には“リフト最適化(私が勝手に命名)”というテクノロジーが採用されています.簡単に説明すると,ボードがリフトしてノーズが浮いた時の状態で抵抗が最小になるように設計しましょう,っていう設計思想です.

翼型(フィンの断面の形)ってNACAとかゲッチンゲンとかいろいろあって,その揚力であるとか抵抗であるとかは過去の実験結果や JAVA Foil なんかを使って見ることができます.一番厚いところが前にあるか後ろにあるかで性質がどうなんていうことがよく言われますが,噂と私が調べた結果っていうのは往々にしてよく違っていて.....ってこの話をすると横道にそれそうですね.

で,疑問に思ったのが,リフトしたらノーズが浮いてるんだから,フィンって水中ではボックスの底面に対して,ある一定の角度をもった状態になっているはず.だとしたら,翼型本来の性能を出すにはリフトして角度をもった状態で設計したほうがいいんじゃないの?と考えたわけです.

で,片方のフィンは選んだ翼型をフィンボックスの底面に平行になるように設計し,もう片方のフィンはフィンボックスの底面に対してある一定の角度を持たせるように設計したわけです.

続きは明日にしましょうか.