X003 32 初乗り

一昨日,加工業者さんから完成の連絡を頂き,昨日乗ろうとしたところ吹き出しが遅く乗れず,やっと今日乗ることが出来ました.新しい32cmです.

X01 32cm からの改良点は以下のとおりです.

1,ボックスとの結合部の改良
2,フィン本体の翼型の修正
3,ボード近傍部前縁にフィレットを設定
4,品名“HWL X003 32”を切削で記述


詳細
1,については X02 から既にそうなっているのですが,フィンの揚力をボードに無駄なく伝えるためにフィン本体がボックス部の上部まで張り出した形にしてあります.ネジも4つ止めにしました.

2,についてはX01がスピードを追求した薄い翼型だったために適用セイルサイズが小さくなったこと(それはそれで最初の意図通りだったのですが)に対する修正です.適用セイルサイズってフィンの長さで決まると思われがちですが,翼型を変えることによっても出来ます.横から見た形をほとんど変えていないので,X01 と一目見ただけでは違いが分からないかもしれません.FAQにも書きましたが翼型が0.1mm違っただけでもそれは別物のフィンなんです.

3,有害抗力を低減する方法として実際飛行機に使われている手法なのですがこれを採用しました.前作 X01 は風速16m/sオーバーの強風下でジャイブなどレイルにプレッシャーをかける操作を行った際に突然不安定になることがあり(もっともそんな強風下ではどんなフィンでもそうかもしれませんが.....)これを何とかできないかと考えたところから来ています.おそらくこの問題は,フィンの下半分ぐらいをウェイブフィンのようにレイキさせるという方法で簡単に実現出来るだろうなとは思ったのです.いろいろなフィンメーカーがすでに作っていますね.ですが,そういったフィンは往々にしてパワーが落ちることが多く,自分が使っている板と相性が悪くなりそうなのでやめました.で,実際の使用感ですが,強風下でのジャイブがやりやすくなり恐怖心を感じることがかなり少なくなっています.突然スピンアウトしたり,挙動が不安定になったりするきっかけのところがうまくぼかされている感じです.それでいてフィン自体の性能が変な方向に変わることもなかったです.今回の一番大きな成果かもしれません.

4,数を作っていくと見分けがつかなくなる可能性が出てきたので,フィン本体に品名を入れることにしました.実際に切削加工で彫ってあります.出来上がりを見て,自分でお願いしたにもかかわらずかっこいいなぁと思いました.こんなわがままも聞いてくれる加工業者さんの技術はすばらしい.
次は正楷書体とかお願いしていいですか?(笑)

浜名湖はやっぱりいい環境ですね.私よりも速い人が何人もいます.そういった方々を追いかけることでどれぐらい性能がよくなったかを確認することが出来るわけです.今日一緒に乗っていただいた皆様本当にありがとうございました.フィンの性能だけでなく,今度は人間の性能も上げて皆さんに追いつくように努力します(笑).

というわけで,調子がよかったので32cmはこのモデルを今後一年間使用する予定です(^_^).