Ninja のテクノロジー1:リフト最適化設計

何度も書いた気がするのですが,フィンの翼断面の形のことを,“翼型”っていいます.こんな形.



この翼型を特徴づけるパラメータはいろいろあるのですが,そのなかでも,重要なものが二つあります.一番厚いところはどこか?っていう情報.前縁から何%のところが最大か?みたいな感じで,20%だったり30%だったり40%だったり,50%だと後ろ過ぎか.....それと,最大厚みは前から後ろまでの長さに対して何%の割合かっていう情報.5%だったり,10%だったり,15%だったりまぁいろいろです.ウィンドのスラロームフィンの場合は,8〜12%ぐらいのものがほとんどのようです.

で,考えたのが,プレーニング中って,常にジョイントから推力を得た状態で,全体的に板はリフトしているわけですよね?そうすると,テイルのフラットな部分も,決してフラットではなく,水平に対してある一定の平均角度をもって走っているはずです.

仮に,テイルのボックス底面に対して水平に翼型が並ぶように設計したとしたら,どうでしょう?リフトした際に,翼型が斜めに使われることになるわけです.事前に想定した性能と斜めに使った翼型のそれとは異なってくるわけです.じゃぁ,最初からリフトを考慮して翼型を斜めに配置してしまえばよいのではないか?と思ったわけです.

この2つって比較が必要だなと以前比較実験を行った時の日記はこちら.
http://d.hatena.ne.jp/hwl_usui/20100511/1273591611
http://d.hatena.ne.jp/hwl_usui/20100512/1273681595
http://d.hatena.ne.jp/hwl_usui/20100514/1273811618




結果は,上記の写真の左側(水平に翼型が並ぶように設計したもの)はどうも,水平になろうとするのか,板が張り付く感じで,上記の写真の右側(リフトを考慮して翼型を斜めに配置したもの)はすんなりプレーニングが安定していたわけです.

この実験で得られた技術が28cn〜38cmの Ninja すべてに導入されています.



私は115l幅65の板に対して,36cmの Ninja を使っています.プレーニング時にノーズの上下動が非常に少なく,リフトが安定しているのでチョップを拾うことも少ないので非常に楽に乗れます.

あぁ,最後は私が苦手な宣伝っぽくなったなぁ......


次回は前縁の形状とジャイブの話を書きます.