スラロームフィン談義

Samadhi_Labでは日々設計を行って新しいことを試してはテストするということを繰り返しています.最近技術的な事柄に関する更新は訳あってちょっと停滞気味ですが,先日の猪苗代湖では熱心なスラローマーが多かったことやお酒の勢いも手伝ったこともあっていろいろしゃべったような気がします.

いいフィンって何だろう?

組織名に“Samadhi(三昧)”と冠しているのですが,この意味は,“集中力が深まりきった状態”,“物事の対象と自分に区別がなくなった状態”のことを意味しています.ウィンドをやっていて道具のことを意識しているうちはまだまだ.力が抜け,見るともなしに全体を見,周囲の環境が自分に溶け込んでくるような,逆に自分が周囲に混ざっていくような.....ってこのまま書き続けると収拾がつかなくなりそうです.

そういった状態により至れるものがいい道具,いいフィンなのではないかと私は考えているわけです.最初の頃は道具のサイズによりその解のようなものが一意に決まるのだろうかと考えていた時期もあったのですが,最近では一意には決まらないだろうという結論に達しています.例えば,

A:7.6㎡,115lで60km/h以上まで引っ張れるゴリマッチョ系のメンズのユーザー
B:7.6㎡,115lを手持ち最大と考える体重50kg前後のレディースのユーザー

7.6㎡,115lっていうとフィンのサイズはだいたい38cmぐらいになるのですが,この二者に対して同じ38cmのフィンでいいんでしょうか?私は否と感じています.

同じサイズで違うタイプのフィンって何回も作ったことがあるのですが,最大厚,翼型,翼平面型,その他いろいろ変えるとかなり性質が違ったものが出来上がります.高速で安定するもの,走り出しがよいもの,回転性能がよいもの.....
Aの人は上記の道具をある程度吹いたコンディションで使用することが予想されるので(他にも調べなければいけない項目も多数ありますが),トップスピードでも安定した設計が必要でしょう.Bの人は軽風での使用が予想されるので走り出しが重視されるべきではないでしょうか?

当初の目論見として,どうすればどんなフィンができるか,という情報を電子データで着実に残していこうというものがあったのですが,そんなマニアックな情報がSamadhi_Labにどんどん蓄積されつつあります.