14年前の検見川

先日のサマーカップの折に検見川に行ったのは15年ぶりと書きましたが正確には14年ぶりでした.そのときの話を.

当時大学2年生だった私は1年目にあまりまじめにウィンドしなかったこともあってサークルの中でも吹けば下に流されるような“みそっかす”な状態でした.夏の猪苗代湖の大会でもあまり見るべきところはなく,レースでも私以上に乗ってない人間よりも成績が下だったように記憶しています.

ただ,学年が二つ上の魅力的な(性格が濃いとも言う)先輩達が作るサークルの楽しさに惹かれ,定期的に海に通うようになっていました.先輩らは自分のゲレンデで仲間内だけで競い合うことに限界を感じ,外に遠征に出向いて情報を集めることにも熱心になっていました.

あれは1995年の9月だったと思います.毎年その時期になるとテクノロジーカップといって奥羽大学のサークルのメンバーが主催で猪苗代湖でのレースが行われていました.その日程が9月の第2日曜日に決まっていました.

その前の月の8月に二つ上の先輩らが北関東のコースレースのシリーズ戦(確か渡良瀬遊水池だったか)に参加しました.そのときの大会運営の方々の計らいで,遠くから来たということで景品を若干有利な抽選で頂いたそうです.“また来てください!”と笑顔で言われ,“いつですか?”と聞き返すと,9月の第2土曜日とのこと.苦笑いしつつも二つ上の先輩らは9月第二週の二連戦の腹を決めたようです.

土曜日検見川,日曜日猪苗代湖という強行スケジュールをそのときだれもやめようと言わなかったところが先輩らのキャラクターそのものだった気がします.こうなると先輩らは騒ぎは大きくしたほうが面白いと考えたようで,みそっかすだった私にも声がかかりました.面白そうかなと思ったもののレースに自信がなかったこともあり,なかなか決断が下せませんでした.そのとき私に止めを刺したのがO先輩の一言でした.

“臼井,一緒に想い出作りに行こうよ!”

この瞬間,あぁ,これは勢いとか流れとか運命とかそういうものなのだな,という気がしました.


つづく