粘性って何?

ちょっとマニアックな話題を.

なんとなくこんな風に作れば速いんじゃないかっていうアイディアのみでフィンを削ることは切削加工の知識さえあれば可能だと思います.ただそれがスラロームのフィンとしてまともに走ることが出来るかどうかっていうのは別問題で設計の段階でちょっとした特殊な知識が必要になります.

流体力学という言葉自体はご存知の方も多いと思いますが,実際中身がどんなものか?実生活の場でどんなふうに利用されているかという話は詳しく知らなくても困らないような気がします(笑).

スラロームのフィンを設計している私はそういうわけには行かないわけです.そんなわけで,マニアックな流体力学の話をまとめたコーナーを作ろうと思っているのですが,ホームページの設計よりもまず,思いついたことを先にブログに書こうと思ってます.そのほうが情報を速く提供できますし,ブログのネタにもなるし.あっ,後半は自分の都合か.


流体力学の最初に出てくるのが“粘性”っていう言葉です.簡単に説明すると,流体がどれぐらい粘っこいかという量です.分かりにくいですね〜.う〜ん,水はさらさらしていて,油は粘っこい.そんな感じです.


ものが流体中を移動するときに必要な力:F
ものの接触面積:S
粘性係数:\mu
とすると,

F=\mu\frac{du}{dy}S

ここで,\frac{du}{dy}はものに引きずられる流体の流速分布.


.....だめかなぁ,読み物として成立しにくいなぁ.
多分このまま書いていくとヒジョーに読みにくい文章になりそうだ.っていうか私の説明の仕方が悪いのか.


何を言いたいかといいますと,この粘性係数って値,水の場合,温度によってすごく変わるんですよ.手元にある資料で以下のような感じ.

温度(℃):粘性係数(PaS)×10^{-3}
0:1.79
10:1.31
20:1.00

この粘性係数の違いによってどれぐらい差が出てくるかっていうのを計算(詳細は割愛)して求めていくわけなんですが,最終的にスラロームのフィンのサイズでいうとワンサイズぐらい違う場合がありえます.

以前,ものすごくスラロームが上手な方で,“冷たい水は硬い.”っと言った方がいらっしゃいました.夏と冬では同じ板とセイルでもフィンのサイズを変えるそうで,冬の場合はフィンのサイズを落とすとのことでした.この研究を始めるまでは私もそんなこと気にも留めなかったのですが,よくよく計算していくとそのとおりであることが分かって,よく気づいたなぁと尊敬した次第です.言われてみると寒いときにミョーにフィンをパワフルに感じることってあります.

そう考えると,メーカーによってテストしている場所が水温が高かったり,また,乗っている人間がものすごい巨漢だったりとかすると結果的にすごくパワフルなものが出来上がるような気がします.適用セイルサイズって書いてある値も本当に信用していいのかどうか.

メーカー公表値や周囲の意見を参考にするのもいいのですが,最終的には自分の感覚のほうがよりウィンドサーファーとして風と水と一体化できるようになるのかもしれませんね(^_^).

ってこんな感じでウンチク話を続けていけるのかな?